母は昭和三年生まれの老婆です。
母の子供の頃の同級生に猿にそっくりな子がいました。
彼女の兄も猿にそっくりでした。
両親はそれほど猿に似ていないのに
兄妹は驚くほど猿顔だったのです。
兄妹の父が山に猟に行ったとき
腹の大きな雌猿を見つけました。
彼はその猿に銃を向けると
撃たないでくれと猿は手を合わせました。
しかし彼はかまわず引き金を引き
猿を仕留めました。
兄妹は成長するにつれて猿顔になっていきました。
・・・・あのとき、あの猿を撃たなければよかった・・・・
兄妹の父は猟をやめ、毎日反省したということです。
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