有田屋は地元で採れる柿から羊羹を作りよく売れていた。
昭和のはじめ頃、有田屋で一銭五厘でアイスケーキを売り始めた。 アイスケーキとは言え、アイスキャンディーのことである。
この頃、高知県下の菓子店にいっせいにアイスキャンディー製造の機械が納品されたのだろう。
高知県では今でもまれにアイスキャンディーのことを「ケーキ」という。
五厘通貨の流通は無くなっていたので二銭でお釣りに券をくれた。 次回に一銭と券を持っていくとアイスケーキが買えるのだ。
有田屋の三代目は洋菓子の修行に出て 隣町に洋菓子店をだした。 そして今では本物のケーキを作っている。
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